桜の樹の粒
桜 咲く 季節に
あの時 あの場所で
出会った あの子は
わたしの 一番の 理解者
何も 話したこと ないけれど
一度も 口 きいたこと ないけれど
わたしは あの子が だいすきで
そして きっと
あの子も わたしが だいすきで
一言も 話さない
あの子を みんな 心配してたけど
わたしは まるで 幼いころの
わたしを みているような 気がして
心配だけは したくなかった
いや、それだけは されたくなかった
わたしは 信じてほしかった
わたしが 口を 開かなくても
わたしは 信じてほしかった
わたしは 6歳まで 口を開かない
あの子は 15歳になっても 口を 開かない
わたしは あの子の 気持ちが
痛いほどに わかって
なにか おもしろいことを 言って
あの子を 笑わせる事 ばかり 考えていた
ある日 わたしは 突然
あの子との お別れの日が 来た
ありがとう ほんとに なんか いろいろ ありがとう・・・
そう言うと あの子は ものすごく
怖い顔をして 後ずさりして 逃げて行った・・・
それが あの子の 愛情なのか
それが あの子の 気持ちなのか・・・
わたしとの 別れを ここまで 惜しんでくれた人
今まで 一度も なかった
わたしは あれ以来 あの子と 逢った事が ないけれど
だれにも 言えない つらさを
だれにも 話せない 出来事を
あの子だけは わかってくれる・・・
そんな気がする わたしの 親友
話した事のない わたしの 親友
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